昭和52年、世田谷区世田谷の地に開業以来、40年以上にわたり地域に密着した医療を目指して参りました。これからも「病気になったから受診する」のではなく「気軽に相談できる専門家」として、地域医療に貢献して参ります。
一般整形外科診療に加え、腰痛・スポーツ外傷・リハビリテーション・運動療法指導などに力を入れています。世田谷・桜・弦巻・豪徳寺・若林地域の「かかりつけ医」としてご利用ください。
当院は、オンライン資格確認を行う体制を有しており、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでおります。オンライン資格確認によって得た情報(受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報)を医師が診察室等で確認できる体制を整備し、診療に活用します。 また、電子処方箋の導入や電子カルテ情報共有サービスの活用も実施しております。(電子カルテ情報共有サービスについてはベンダー対応待ちです)
院長 | 香取 勧 |
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住所 | 〒154-0017 東京都世田谷区世田谷1-42-11 |
診療科目 | 整形外科、 リウマチ科、 リハビリテーション科 |
TEL | 03-3706-8000 |
FAX | 03-3706-9788 |
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝日 |
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9:00~12:00 | ○ | ○ | ○ | / | ○ | ○ | / | / |
14:00~17:30 | ○ | ○ | ○ | / | ○ | ○ | / | / |
【休診日】木曜日・日曜日・祝日
「骨折がないから大丈夫…」本当にそうでしょうか?
エックス線検査に異常がなくても、靭帯断裂・軟骨損傷などが伴えば、意外に治癒は長引くものです。特に小児の足関節外傷では高率に軟骨裂離損傷が伴うという報告もあり、慎重な治療が必要です。「捻挫だから…」「打撲だから…」と、一律な治療では回復も遅れます。スポーツ外傷では、選手としての能力にも影響してきます。
当院ではエックス線検査による硬組織の診断に加え、超音波画像(エコー)による軟部組織診断の精度向上につとめています。以前のエックス線検査のみでは見逃していたかもしれない、と思わせるほどパワフルな診断ツールを手に入れた、というのが整形外科医としての実感です。
エコーというと、妊婦検診や内科検診で胎児・心臓・肝臓などの診断をイメージされる方が多いかと思います。しかし、整形外科領域ではエコーはあまり使われていませんでした。それは、従来のエコーは周波数が低く、体表に近い浅い領域(数mm〜数cm)では画像が不鮮明であったからです。しかし近年プローブ(発振子)の高周波数化に伴い、体表領域でも鮮明な画像が得られるようになりました。
エコーの特徴は非侵襲(身体へ及ぼす影響が少ない)で、リアルタイムに画像が得られるので、動的要素(動きによる変化)を捉えることも可能です。骨関節運動器に関して、「動きをみる」ことができるというのは画期的なことなのです。エックス線透視画像では、骨の動きは観察できますが、放射線量も大きく軟部組織は映りません。MRI・CTも特殊なものをのぞき、動的要素をとらえることはできません。 診察室で、問診・触診の延長として利用することができるのが、エコーの特徴です。 もちろん、エコーも万能ではなく、骨などの硬組織では強い音響反射があり、画像を捉えることができません。しかしストレス骨折などの骨膜反応をみるには、エックス線よりも鋭敏かもしれません。
捻挫に伴う靭帯断裂や腱損傷、肉離れなど、軟部組織診断にとても有用です。損傷の程度・範囲・出血量などから、治療法の選択や期間を決めています。足関節捻挫・肩腱板断裂・腓腹筋断裂・アキレス腱断裂・筋層内血腫など、外傷には視診・触診と併用して利用しています。また手根管症候群や、手指腱鞘炎・バネ指などの炎症性疾患でも腱鞘の肥厚や狭窄などを確認することができます。
また、手軽に検査ができますから、治療中も癒合状況や回復の確認ができるのもメリットです。
リアルタイム画像が得られるので、エコー画像で患部を観察しながら的確に注射や穿刺の治療が行えます。粘液嚢腫や滑液包炎、ガングリオン穿刺、関節内注射などに有効です。
下の動画では、肩峰下滑液包内注射をエコー下で行っています。左手上方より刺入された針が三角筋を貫通し腔内に正確に薬液が注入されています。
骨がもろくなり、骨折する危険が高まっている状態です。
日本人はとても骨粗しょう症が多く、推定1,300万人の患者が潜在し、要介護要因の第4位に挙げられるほど(*1)、生命予後・生活の質に強く影響する疾患ですが、あまり顧みられていないのが現状です。また、椎体骨折で8.6倍、大腿骨頸部骨折で6.7倍の相対死亡リスクが上昇する(*2)という報告もあり、罹患すると一部の肺がんの死亡リスクを上回るほどの危険があります。骨粗しょう症は骨の「病的老化」で、明らかな「疾患」です。骨折は骨がもろくなるために起こる合併症で、予防および治療が必要なのです。
*1 平成22年国民生活の基礎調査
*2 Cauley, JA, et al: Risk of Mortality Following Clinical Fractures. Osteoporosis Int 2000;11(7):556-61
骨強度(骨の折れにくさ)=骨塩量+骨質と定義されています。骨質とは骨梁の微小構造やコラーゲン架橋など骨そのものの質をいいますが、現在のところ一般に定量化する方法はありません。しかしながら、未治療の状態では骨強度の7割は骨塩(骨の中のミネラル分)量で決まるともいわれており、精密な計測は骨折の危険性を予測するのにとても重要です。当院では最新型の橈骨DXA法を使用し、正確で素早い骨塩定量検査を行っています。
また骨は形成と吸収のバランスが悪くなると、骨折しやすくなってしまいます。骨代謝マーカーを計測することで、適切な治療薬の選択したり効果を確認することができます。
FRAX®を使えば、自分が今後10年間で骨折する確率を概算することも可能です。ぜひ試してください。
ビスフォスフォネート剤
最も一般的に使われる骨粗しょう症治療薬です。強力な骨吸収作用があり、現在では週に1回、あるいは月に1回内服といった製剤が販売されています。
空腹時に飲まないとほとんど吸収されず効果が減弱するといった欠点があります。
活性型ビタミンD3
腸管からのカルシウム吸収を高めたり、腎臓からのカルシウム排泄を抑えることで血中カルシウム濃度高める効果があります。閉経後日本人女性の大部分がビタミンD欠乏状態にある、といった報告や、転倒予防(ふらつきを抑制する?)といった報告もあり、最近注目されています。
SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)
閉経後女性に女性ホルモン(エストロゲン)を補充すると、骨粗しょう症が顕著に改善することは以前より知られていましたが、乳がん発症リスクが高まることなどから骨粗しょう症治療として一般的ではありませんでした。このホルモン補充療法の欠点を解消したのがSERM(サーム)です。骨密度上昇効果はビスフォスフォネート剤に劣りますが骨折予防効果に関してはほぼ同等という報告もあり、使い方に次第でかなり有効です。
カルシトニン
骨吸収抑制作用をもつ甲状腺ホルモンの一種です。骨折予防効果のエビデンスは明確ではありませんが、骨粗しょう症に伴う痛みに効果があります。圧迫骨折や腰背部痛の急性期に使用し効果をあげています。
テリパラチド(フォルテオ®・テリボン®)
骨粗しょう症治療の切り札と言ってもよい新薬です。副甲状腺ホルモンの一種ですが、非常に強力な骨形成作用をもち、80%を超える骨折抑制効果が期待できます。自己注射による連日投与(フォルテオ®)か、週一度の通院による注射(テリボン®)を選択できます。
リハビリテーションとはなにか、ご存じですか?
当院にいらっしゃる患者さんからよく聞くのは、「接骨院でリハビリしてたんだけどね…」という言葉。残念ながら接骨院などで行われる、マッサージや、低周波・干渉波治療器や超短波治療器(いわゆる「電気治療」と呼ばれているもの)は理学療法の中のほんの一部でリハビリテーションとは呼べません。医療保険でリハビリテーションが受けられるのは医療機関だけです。
リハビリテーション医療とは、疾病や老化などによって失われた機能を回復・維持させることが目的の医療行為です。各種運動療法・ストレッチ・機能訓練法を熟知し、国家資格を持った療法士(理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST))が医師の指示のもとで行います。いわゆる「電気治療」は除痛などを目的に治療の一環として利用しますが、個別の病状にあわせた機能訓練指導が、リハビリテーションの主体です。
(脊椎脊髄疾患・肩、膝など関節疾患・骨折・筋靭帯疾患など)
(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血後・パーキンソンなど)
リハビリテーションを保健医療の枠組みで行うためには、人員配置・設備など、厳しい施設基準をクリアしなくてはなりません。当院では5人の理学療法士が担当制で対応しています。病状に応じて1単位20分~3単位60分のリハビリテーションをマンツーマンで行います。内容は、医師の指示箋をもとに、病歴聴取、動作・機能の評価、訓練法プログラム、ストレッチ指導、筋力トレーニング、スポーツアドバイスなど多岐にわたります。
当院で行っている運動指導の一部を動画でご紹介します。症状に応じて個別にリハビリテーションプログラムを決定しますが、下記の動画は、腰痛・肩こりなどに対するストレッチです。実際に行われる場合は、必ず医師と相談の上、強い痛みを感じたら無理に継続しないで、中止してください。